皆さんは疲れとは何かを考えたことはありますか?
仕事をして疲れた、運動して疲れた、遊び疲れた
などなど日々の生活の中で疲れを実感することはあるはずです。
今回はその疲れとはなんなのか、なぜ疲れを感じるのかを心理的側面から考えていこうと思います。
人間の生活活動
疲れとは何かを説明する前に、まず人間の生活活動について知ってもらいますね。
人間の生活は「活動」「行為」「操作」と分類されます。
活動
ある目標を持ってモチベーションを維持し、その目標を達成するために遂行する大まかな行動
行為
活動を実行するための手段
操作
行為の方法
これだけでは分かりにくいので私の生活活動の例えを使うと
活動
患者さんの怪我の治療、心身ともに元気になってもらう
行為
施術を行う
操作
マッサージ、ストレッチ、鍼灸
となります。
この3つは労働・家事・育児・学業など、あらゆる生活活動に当てはめることができ年齢・性別も関係ありません。
疲労の心理的側面にこの考え方は非常に重要となります。
疲れって何?
疲れとは
- 行っている活動へのモチベーションが低下した時
- 期待した結果が得られなかった時
- 目標を達成できなかった時
などの時に本人が認知する感覚・心理状態のことを言います。
上記3つのことで感じる疲れは特に「不快な疲れ」として身体に認知されます。
例えば
①毎日頑張って仕事に行ってるが上司や同僚との人間関係がうまくいかず仕事に行きたくない、といった状態で毎日仕事に行くとドッと疲れます。最悪の場合はうつ状態になることも、、、
②1ヶ月の売り上げ目標を100万とした営業マンが目標の半分しか売り上げれなかったとなると、この1ヶ月の疲れを一気に感じてしまいます。
③腰が痛い人の治療をしたが痛みがあまり軽減できなかった時は、なぜだろう、、、といつも以上に疲れを感じます。(私の体験談です)
このように「精神的な疲れ」が特に「不快な疲れ」を感じやすくさせることがわかります。
「子供の体力は無限やなー」とよく言われますが、確かに公園で遊んだりサッカーをしたりすると無限に遊んでいます。
でも当てもなく歩いたり、おもちゃが欲しいのに買ってくれない買い物に付き合わせたりすると割とすぐ疲れたと言います。
このことからも「疲れ」は気持ち・モチベーションが大きく関与することがわかります。
もちろん「肉体的な疲れ」もあるので、趣味のスポーツをした、トレーニングをした、山登りに行った、などで疲れを感じることがあります。
これらの趣味による疲れはどちらかというと「快い疲れ」と認知され「不快な疲れ」とは分けて考えるべきでしょう。
疲れの特徴
続いて疲れの特徴の紹介です。
1.疲れは自覚される
これは”疲れの徴候“によって自覚することがあります。
例えば
- 作業に飽きた
- 作業をしていると眠くなる
- 集中力が落ち、今の作業より他のことが気になる
- ミスが増えてきた
などの徴候がみられる場合は心理的に疲れております。
身体的な徴候としては
- 肩が凝る
- 目が疲れる
- 腰が痛い
- 作業スピードが落ちてきた
などでしょうか。
これらの徴候が“疲れの自覚”となります。
2.疲れは抑制される
疲れの自覚とは反対に抑制することも可能です。
仕事中に頑張れば遂行できる目標を立てます。
集中して作業を行い、必ず目標を達成するという強い動機づけをすることで、疲れを抑制し作業に取り組むことができます。
この時の目標は、なるべく自分が積極的に取り組むことができる目標にするといいですね。
子供が遊んでいると無限に遊び続けるのが良い例ですね。
嫌なことを目標にすると、それは疲れの自覚につながりますので気をつけましょう。
3.活動の疲れが別の活動への欲求になる
仕事へのモチベーションの低下が、休日に遊びたい、買い物に行きたいなど別のモチベーションへつながることがあります。
仕事を休んでゆっくりしたいというのもそうですね。
基本的に身体は危険な状況になると防衛本能が働きますので「疲れたから休みたい」という欲求は当然のことです。
あまり気を使わず疲れた時は休みましょう。
4.別の活動を行うことで疲れは減少され、また頑張ろうという気持ちになれる
「久しぶりに買い物してストレス解消なったわ」とか「旅行に行って楽しかった」といったことを一度は経験したことがあると思います。
気分転換をすることで疲れを解消でき、またそれが次のモチベーションへと繋がるので気分転換することはとても大切です。
5.疲れは感情を伴う
はじめに「不快な疲れ」について少し触れました。
特に「仕事でうまくいかない」「育児が大変」「遊びたいのに遊べない」「スポーツで納得した結果が出せない」などのような精神的な疲れは不快な疲れにあたります。
これによって怒りっぽくなったり憂鬱になったり悲しくなったりします。
仕事上の関係でうつ病になったり、育児ノイローゼ・産後うつなどがあります。
逆に快い疲れの時は疲れてるけど気分は晴れますよね。
私の場合、サッカーの試合で点を取った時と取れなかった時の試合後の疲れは全然違いました。
仮に100m走をしたとして20秒を目標に走り15秒でゴールした人と10秒を目標に走り15秒でゴールした人では、同じ15秒でも終わった後の疲れの感じ方が全然違うと思います。
6.疲れは体験される自己評価
疲れにはその人の体験も大きく関与します。
「筋トレは疲れる」と「筋トレは楽しい」と体験している人では疲れの感じ方が全く異なります。
以前疲れたことがあるという体験はより疲れを感じやすくなります。
疲れへの対策
では疲れに対してどう対策するといいのでしょうか?
1.疲れたら休む
1番大切なことです。疲れたら休みましょう。
睡眠は特にしっかり取るべきで、精神的な疲れ、肉体的な疲れの回復に最適です。
睡眠の質が悪い人はマッサージを受けたり、自分でストレッチをしたり、身体をリラックスさせてから寝ると良いですよ
2.マッサージを受ける
今話しましたがマッサージを受けることは非常に効果的です。
私は仕事上、疲労を回復するマッサージをすることがありますが、「その日よく眠れた」「マッサージ受けてから調子が良い」という声をよく聞きます。
精神面でリラックスでき、肉体面でも血流が良くなり疲労回復に効果的なのでとてもオススメです。
3.気分転換をする
仕事の休日に気分転換をすることで疲れを忘れ、「またこんな良い休日を過ごすために仕事を頑張ろう」と次のモチベーションに繋がります。
モチベーションの維持は疲れには大きな武器になります。
まとめ
- 疲れには心理的状況が大きく関与する
- 心の健康が疲れを抑制しうる
- 疲れを感じたらしっかり休みましょう
いかがでしたでしょうか?
疲れは放置しているとうつ病や大きな怪我にも繋がります。
疲れたと感じたらしっかり休息を取り、元気な身体で日々を送ることができるといいですね。
参考文献:疲れとは何か その心理的考察