梅雨の時期になり身体には余分な水分が溜まってしまいます。
東洋医学ではこれを「津液の停滞」と考えます。
津液とは身体の中の血以外の水分のことで、身体のみずみずしさを保ったり尿を生成し老廃物を体外に出したりと様々な働きがございます。
今回はこの津液についてまとめさせていただきます。
津液の生理作用
①潤いを与える
皮膚や臓器、目、鼻、口、舌などに潤いを与えます。乾燥すると皮膚が荒れたり粘膜が傷ついたりしてしまいます。
②動きを円滑にする
関節や筋肉に潤いを与えて身体の動きを円滑にします。自転車のチェーンに油を差すようなイメージです。
③血液の一部になる
血液成分の一部となり血管内を巡り、血とともに臓腑など全身に栄養を届けます。血液の液体部分が津液となります。
津液の病態
①津液不足
身体の中の水分が少ない状態
症状ー口渇、乾燥、便秘、尿量減少
身体の水分が少ないので口が渇いたり肌が乾燥したりします。また津液は身体を冷やす作用があるので、不足すると気温は暑くないのに身体は熱くて熱がこもっているような感じになります。
対策ーまず大切なのは水分補給。コーヒーやお酒、ジュースなどではなく水や麦茶にしてくださいね。それと同じくらい大切なミネラル補給。(塩分やカルシウム、マグネシウムなど)ミネラルは普段からしっかり食事をとっていればあまり不足することはありません。注意点は添加物の多いインスタント食品などです。着色料などの食品添加物はミネラルなどの栄養の吸収を阻害し体外に排出させてしまいます。子供の肌荒れなどもお菓子やジュースの添加物が原因とも言われているので気をつけてくださいね。
②津液停滞
身体に余分な水分が溜まっている状態。粘り気のある「痰」と稀薄な「飲」に分けられますがここでは一つにまとめさせていただきます。
症状ー顔に停滞するとめまいやふらつき。肺(胸郭)に停滞すると咳や呼吸困難。胃に停滞すると腹部膨満感や吐き気。手足に停滞するとしびれや重だるさ。
今は6月、梅雨で湿度が上がり気温も徐々に上がっていきます。雨の前は蒸し風呂状態となり身体に湿気がまとわりつくと、汗がうまく出ず身体に余計な水分が溜まりやすい気候となります。雨の前に体調を崩しやすい人は運動不足で身体に余分な水分が停滞していることが多いです。
対策ー運動と水分補給を適度にしましょう。運動はしっかり汗をかくぐらいの運動をし身体の中の老廃物とともに余分な水分を体外に排出させます。水分補給は忘れずにしっかりと。キュウリやトマトなど瓜系の野菜はミネラル豊富なので塩をかけて食べると良いですよ。このようにすることで水槽の循環ポンプのように身体の中の水分を常にきれいな状態に保つことができます。
※塩分について
塩分は取り過ぎると高血圧になると言われています。確かにそうなのですがこれには知っておいてもらいたいことが一つあります。
それは塩分だけを取り過ぎると高血圧になるということです。塩分だけでなくマグネシウムやカリウム、カルシウムなど他のミネラルもしっかり摂取することで塩分取り過ぎによる高血圧は予防することができます。
塩分の摂取量が多い青森県の人はリンゴの摂取量も多く塩分とカリウムのバランスがとれて高血圧の人は少ないようです。
まとめ
梅雨の時期から夏、秋は台風の関係で身体の水分代謝は悪くなりがち、、、
体調が悪いときはその原因を探し取り除くことで健康に近づけます。
水分補給と余計な水分を体外に排出させる、このバランスをしっかりとりながら体調を整えましょう。