今回は「血」となります。東洋医学ではこれをけつと読みます。
西洋医学でいう血液とほぼ同義なのですが、東洋医学独自の考え方もありますのであわせて知っておくと身体の健康に役立ちますよ。
血の生理作用
①養営
全身の臓腑・組織に栄養を与え、燃料や材料になる
②滋潤
髪・爪・筋肉・皮膚などに潤いを与える
③精神
精神の興奮を安定させ意識を清明にする
④五感の機能を保つ
視・聴・嗅・味・触の5つの感覚を正常に機能させる
特に視覚と関わりが深い
⑤気を乗せる乗り物
血が不足すると気を乗せるタクシーが少なくなり気の流れが悪くなる
血が十分にあっても気が不足すると身体に気を運ぶことができなくなる
気と血はどちらも欠かすことができない大切な物ということです
わかりやすい例は貧血で、東洋医学的には血虚といいます。(後で詳しくしますね)
貧血は赤血球が少ない状態で、めまいや息切れ、その他にも様々な身体の不調が出現します。
血の病態には血虚のほかに血瘀・血熱があり、特に女性の不調は血の病態と大きく関わるのでぜひ覚えてくださいね😊
血の病態
①血虚
血が少ない状態。
症状ーめまい、髪・爪の艶低下、皮膚の乾燥、しびれ、動機、不眠、夢をよく見る、視力低下
顔色が悪く唇の色も薄くなります。特に月経のある女性に多い病態で、西洋医学的には貧血となります。酸素や栄養が不足してしまうので息切れや倦怠感が常につきまといます。
対策ー血虚の特効穴である「三陰交」「血海」などにセルフ灸をしてみてください。また食事はとても大切で鰹や豚肉、鶏肉をしっかり食べるようにしましょう。
②血瘀
全身の血の流れが悪い状態。
症状ー血色不良、月経異常、肌荒れ、内出血、血管拡張(静脈瘤など)
血液の流れが悪い状態なので肌が黒ずんだり内出血ができたりします。月経の異常もあり強い月経痛などの症状が出現します。冷えて月経異常が強くなる方は血瘀のことが多いです。
対策ー風呂などでしっかりぬくもりましょう。定期的にマッサージなどを受けて筋肉の固さを取り除き血流改善に努めてください。
③血熱
血に熱がこもった状態。
症状ー乾燥、肌荒れ、躁状態、充血、出血
感染症やストレスで身体に熱が発生することで症状が表れます。鼻血や歯肉出血、血便などの出血症状も見られます。また血は精神に影響を与えるものなので躁状態(精神の異常な興奮)となることもあります。
対策ー動きすぎたり気疲れするようなことは控えましょう。冷やして気持ちいいなら身体を冷やすことも有効です。三陰交への刺激は血の熱を取り除きます。
まとめ
臨床では特に血虚の方が多く来院されます。血虚の症状が気になって、、、という悩みで来られるわけではありませんが。
来院され身体を確認したところ、血虚の症状があるので三陰交などを治療ポイントにし、食生活など生活習慣の見直しを提案させてもらってます。
これを読んで自分が血虚だとわかる人は少ないと思いますが体調管理の参考に使っていただけたらうれしいです。