身体の悩み

気(東洋医学を学ぼう)

今回は「気」についてまとめてみました。

目には見えない生体エネルギーなのでイメージしにくいかもしれませんが、これを知っているとなぜ調子が悪いのか、西洋医学ではわからないところからアプローチすることができるようになります。

ぜひ一つの知識として知っておいてもらええるといいと思います。

気とは

気とは目には見えない生体エネルギーです。

やる気、元気、病気、気疲れなどの言葉で使われる「気」のことを指します。

子供と大人を比べて体力と表現するとわかりやすいかもしれません。

子供は気が充実しており遊びだしたらいつまでも遊ぶことができる体力があります。これが年を重ねるにつれて気が少しずつ少なくなっていき「昔はこんなことで疲れなかったのに」という言葉が出てくるようになるのです。

「身体の調子が悪いから病院で検査を受けたけどどこも異常がなかった」

例えば腰が痛いと腰の筋肉は硬くなっているのでそこをほぐします。これを東洋医学的に考えると腰の気の流れが悪いと捉えることができるようになるわけです。

注意点として、気は目に見えないものなので目に見えるものを治療する西洋医学の考えには受け入れられないことがよくあります。

西洋医学も東洋医学も良いとこ悪いとこ含めて、その人に合う治療を選択できると良いなと私は思います。

気の五大生理作用

①推動作用

気が身体の中で物質を推し動かそうとする力のこと。血液を動かしたり、気そのものが動く力でもあります。これの低下で血液が動きにくくなりむくんだり、身体に栄養を運べなくなりめまいが起きたりといった症状が出現します。

②温煦作用

気が身体を温める力のこと。冬でも半袖の子供はいますが冬でも半袖を着ている高齢者はほとんど見かけません。冬でも手足が温かく冷え性とは無縁、という人は気が充満している証拠です。私は気が少なく流れが悪いタイプなので冬は手足が冷えています、、、

③固摂作用

気が身体に物質をとどめようとする力のこと。この作用が低下して表れる代表的な症状は頻尿です。特に産後の女性は出産という大きな仕事をした後、気をかなり消耗してしまい尿漏れなどのお悩みが多くあります。骨盤底筋の筋力低下も考えられますが、同時に気の消耗もあると考えられます。ほかにも汗をかきやすくなる、知らない間に内出血ができているなどもよく耳にする症状です。

④防御作用

身体の免疫機能のこと。ウイルスや細菌から身体をまもるバリア機能。疲れると風邪を引きやすくなるのは、気を消耗し防御作用が低下しているからです。病は気からという言葉の元になる考え方とも言われています。

⑤気化作用

身体の代謝作用のこと。食べたものをエネルギーに変えたり、摂取した飲食物を便や尿、汗に変化させることができます。汗をかかない、尿がでないなどの症状が表れます。

これらの作用が気の病態に関わります。気の病態は日常生活でよく見かける症状が多いのでチェックしてみてくださいね。

気の病態

①気虚

身体の気が少ない状態。

症状ーめまい、無気力、皮膚温低下、たるみ、活動後疲れやすい、免疫力低下

気の五大作用のすべての能力が低下します。仕事でめちゃくちゃ忙しい、長期間ストレスを感じている、など気の消耗が激しい、飲食不摂生などで気の生成が不十分だと気虚となります。

対策ー食養生(インスタント食品や菓子パンを減らしなるべく添加物の少ない手料理を食べる)、気分転換に好きな趣味を行う(疲れすぎないように)

②気陥

気虚の状態が長期化(1年以上)しひどくなったもの。出産後の女性にも表れやすい

症状ー気虚の症状、長期の下痢、腹部のたるみ、脱腸、子宮脱

長期間ストレス環境にさらされ続ける(仕事や育児)、出産という大変な仕事を終えた後の女性に表れやすい。うつ病に発展している人も多くあります。

対策ー治療には長い期間かかりますが、しっかり治療を受けると症状は改善するので焦らず治療を受けましょう。仕事が原因の方は仕事内容を変えることが重要です。育児や家事が原因となる場合は家族としっかり話し合いましょう。

③気滞

気の流れが停滞している状態。

症状ーつっぱり感、動作開始時痛、気が停滞している部分が熱い、筋の緊張

気が停滞している部分に強く症状が表れます。運動不足や日常生活で我慢することが多い人によく表れる症状です。

対策ー少し汗をかくぐらいの適度な運動をする、少し難しいですが日常で我慢しなくていい環境を心がけましょう。

④気逆

気滞が長引き悪化したもの。

症状ー頭痛、咳、鼻水(詰まる)、ゲップ、頭熱四肢の冷え、上半身の筋緊張が強くなり下半身の筋緊張が低下する

気滞が長引くことで頭に気の流れが集まり上半身の症状が強くなります。下半身にも症状が表れだるさなどが出現します。

対策ーお風呂などで全身をまんべんなく温める。瞑想や青竹踏みで頭に集まってる気を流しましょう。

まとめ

病院で検査を受けたけど異常がなかった、たまにマッサージを受けに行くけど症状が改善しないなどの場合は気の流れを良くする治療を受けることをおすすめします。

当院では鍼灸治療やヘッドマッサージなどで気の流れを調整します。これに加えて日常生活の改善もとても重要なので食事の改善や睡眠の質の向上を目標とします。

セルフケアでなんとか症状が治まることもありますが、症状が悪くなる前に早めに相談してくださいね。

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