季節のお悩み

熱中症予防 カルシウム・マグネシウム編

身体に大切なミネラルはナトリウムとカリウムだけではありません。

あまり知られてはいませんが、カルシウムとマグネシウムも実はとても大切です。

カルシウムの働き

  • 骨や歯の形成
  • 筋肉の収縮(力を入れる時)
  • 神経の情報伝達
  • 血液凝固

カルシウムが骨の材料になることは誰もが知っています。

「身体を丈夫にしたければ肉食べて牛乳を飲め」と小学生の時にサッカーのコーチに言われたことがあります。

カルシウムやその他のミネラル、コラーゲンなどが合わさり骨が形成されるからです。これは歯も同様です。

体内のカルシウムの99%が骨に貯蔵されているといわれております。

次に筋肉の収縮です。

筋肉は収縮し力を発揮する時、カルシウムに手伝ってもらいます。

筋肉はカルシウムなしでは力を発揮できないのです。

逆に力を抜いて筋肉が弛緩する時、カルシウムは元いた場所へと帰ります。

カルシウムが元いた場所に帰る時、つまり筋肉が緩もうとする時、実はエネルギーを使うのです。

何が言いたいかというと、疲れている(エネルギーが不足している)状態はカルシウムを家に帰すことができず、筋肉は硬い状態が続いてしまうのです。

「疲れて身体ガチガチやわ」の状態となるのです。

神経の情報伝達というのは

神経は電気信号によってあらゆる情報(痛み、温度、運動)を伝達しています。

この時にカルシウムやナトリウム・カリウムなど様々なミネラルが関与し、スムーズに情報を伝達しているわけです。

カルシウムが不足するとイライラすると言いますが、それはこの神経の情報伝達がうまくいかなくなるからです。

ただ基本的にカルシウムが不足することはなく、そのせいでイライラするというのは考えにくいのですが、、、

仮にそういうことがあるとすれば

カルシウム不足→神経伝達低下→身体不調→無理矢理元気を出そうと交感神経興奮→イライラ

といったところでしょうか。

最後は血液凝固についてです

切り傷や擦り傷ができた時にかさぶたができます。

あれが血液凝固です。生物にとって血液は最も重要なものだからこそおきる反応です。

出血を止め傷口から細菌が入るのを防ぐ役割があります。

例えば花粉症の季節に涙や鼻水は固まらず流れ続けますよね?

人の体の反応にはそれぞれ意味があるのです。

話がそれましたがこの血液凝固の際にはたくさんの物質が集まります。カルシウムもその中の一つなのです。

これは僕の経験上の話なのですが、骨粗鬆症の人は血が出ると止まりにくかったたり、知らない間に内出血ができていることがよくあります。

カルシウムが低下し血液凝固がうまく働いていないのではないかと考えております。(もちろん他にも原因があるかもしれませんが)

マグネシウムの働き

  • 筋肉の弛緩
  • 300種類もの酵素反応

まずマグネシウムについて1番知っておいてほしいことは筋肉の弛緩に関与するということです。

先程カルシウムは筋肉の収縮に関与するとお伝えしました。

マグネシウムにはその逆の働きがあります。

疲れると足がつる、疲れていないけど足がつる、疲労が溜まると肩こりや腰痛がすぐ出現するなどの症状がある人はマグネシウムが不足しているかもしれません。

300種類もの酵素反応と言われてもよくわかりませんよね

例えばタンパク質の合成に関与したり、糖質を代謝する際など、身体の中でおこる様々な反応に関与しています。

一言で言うと「とても大切」です。

他にも心機能を維持したり骨を形成したり神経の情報伝達など、カルシウムに似たような働きがあります。

カルシウム・マグネシウム不足

カルシウムやマグネシウムが不足すると骨や歯が脆くなり、身体の疲労感・倦怠感にもつながり、結果として自律神経失調症や精神的な疾患にも発展する可能性があります。

  • リンの過剰摂取
  • 糖質過多
  • ストレス
  • マグネシウム摂取不足

カルシウム・マグネシウムが不足する原因には上記のようなことが考えられます。

リンの過剰摂取

カルシウム・マグネシウムの不足について最も大切なことはリンの過剰摂取です。

食物に自然に含まれている有機リンは吸収率が高くなく害を及ぼすことはあまりありません。

ですが食品添加物に含まれる無機リンとなると話は別です。ハムやソーセージ、インスタント麺などに含まれる食品添加物です。

これを大量に摂取することでカルシウムとマグネシウムの吸収率が急激に低下します。

簡単に手に入るインスタント麺やファストフードですがこれらの過剰摂取には注意が必要です。

他にも、体が疲れているからと市販の栄養ドリンクを毎日のように飲む人もいますが、あれも添加物が多くさらに糖質もかなり高いので一時的に元気になったような気がしますが、カルシウム・マグネシウムの不足、血糖値の急上昇・急降下により結果としてさらに疲労が蓄積することも考えられます。

腎結石などにもリン酸は関わっていると言われておりそのリスクが高まります。

糖質過多

カルシウムと同時に糖質を過剰に摂取するとその80%が流れ出てしまうというデータがあります。

またマグネシウムは糖質をエネルギーに代謝する際に利用されます。

体のエネルギー源は糖質と脂質です。このうち優先的にエネルギーとして使われるのが糖質となります。

糖質過多により糖質をエネルギー源にしている体では、常にマグネシウムを消費し不足してしまう可能性があります。

「コーラ飲んだら骨と歯が溶ける」

これよく聞きますよね。

これの正体はコーラの炭酸ではなくコーラに含まれている大量のリン酸(添加物)と糖分です。

大量のリン酸はカルシウム・マグネシウムの吸収率を低下させ、大量の糖質でさらに低下します。

骨や歯が脆くなるという事実は同じですが、実際に溶けているのではなく骨や歯を作る能力が低下しているのです。

数日前幼稚園からの友人が毎日コーラをがぶ飲みしているというので注意しておきました。少し量を控えてくれてるみたいです。

ストレス

ストレスを感じると尿中に排泄されるマグネシウム量が増大します。

また体がストレスに対抗するためにもカルシウムとマグネシウムは消費されるので、ストレスを溜め込みすぎないよう定期的なリフレッシュを心がけてください。

カルシウム・マグネシウム摂取不足

基本的にこれらが不足することは考えにくいのですが、今まで述べた通り現代はカップ麺やファストフードなどにより食品添加物や糖質のオンパレードです。

さらに野菜も品種改良が繰り返されたり、虫をつかないようにするため消毒や洗浄が繰り返され、それと同時にビタミンやミネラルが流れ出てしまいます。

将来的には骨粗鬆症などにも繋がるので、今から食生活を考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

カルシウムやマグネシウムには骨や歯を形成するだけでなく

筋肉の働きを維持する、神経の情報伝達を行う、身体のあらゆる反応の手助けをする

など様々な働きがあります。

これらが不足することにより

歯や骨が脆くなる、筋肉が硬くなったりつりやすくなる、精神的な疾患や自律神経失調症のリスクが高まる

などのことが考えられます。

熱中症とカルシウム・マグネシウムの関係というよりは、単にカルシウムとマグネシウムについての記事となってしまいました、、、

もちろん不足することで熱中症になるリスクも高くなりますよ。

普段の食生活はとても大切です。

子供の健康、自分が元気に長生きするためにも一度考えてみてはいかがでしょうか。