夏はとても暑く湿度が高いです。
この環境は東洋医学的に観ると「脾胃」が失調しやすい環境です。
このことが身体に一体どんな影響を与えるのでしょうか?
身体を動かすエネルギー
東洋医学では身体を動かすエネルギーを「気・血・津液」としています。この3つが身体の中を滞りなく円滑に流れている状態が健康だということです。
先天の精(生まれつき持っているエネルギー)
これは両親から授かった、人が生まれつき持っているエネルギーのことです。
「腎」に貯蔵されており、身体の元気の源となります。
不足すると無気力・慢性的な疲労感・自律神経が乱れるなど様々な症状が出現します。
後天の精(生後飲食物から摂り入れるエネルギー)
先天の精に対してこちらは飲食物からエネルギーを補給します。本来生物が食事をするのは後天の精を補給するためであり、美味しいものを食べるためではないのです。
カップラーメンや菓子パンなど加工食品、添加物が大量に使われたお菓子などでは、後天の精を補給できず、身体の不調につながります。
脾・胃の不調
画像の黄色の欄は脾と胃の特徴です。そこに「湿邪」があります。
これは脾と胃が湿度に弱いことを表しております。
日本の梅雨〜夏は高温多湿。脾と胃を失調しやすく、食欲が低下したり逆に食べ過ぎてしまったりすることがあります。
食欲が低下すると、、、
夏は暑く食が進まなかったりあっさりしたもので済ましたくなりがちです。
そんな時に食べるのが冷やしうどんや素麺ですよね。確かにコッテリした油物よりスッと食べることができます。
でも実はこれ、ほとんど体の栄養にはならず(ごく僅かなミネラル等はあるでしょうが)お腹を膨らませているだけとなります。
もちろん鶏肉や豚肉、卵などが一緒に入っていればその分の栄養はありますが。
結果、後天の精が補給できず栄養も不足し、体のだるさなど様々な症状が解消できないのです。
食欲が過剰で食べ過ぎてしまうと、、、
`「え?食欲旺盛でも良くないの?」
と思うかもしれませんが、やはり食べ過ぎは良くありません。これは脾・胃が過剰に働き過ぎている状態です。
過食になると身体の気血津液は胃に集中し、手足に行き届かなくなり、肩こり腰痛その他身体の不調の原因となります。
結果、脾・胃は疲れ消化吸収能力も低下し後天の精が不足します。間食をしているとさらに良くありませんので気をつけましょう。
後天の精が不足すると
前述した通り脾・胃の失調により後天の精が不足すると不調が出現します。
さらにこの「後天の精が不足した状態」が長く続くと、身体はそれを先天の精で補おうとし始めます。
先天の精とは生まれつき持っているエネルギーです。
後天の精が不足し先天の精を消費し続けていると、体はどんどん元気がなくなり
何をするのにもしんどい、やる気が出ない、更年期障害
など様々な不調が身体に出現し、これが夏バテの原因となります。
対策
これらの対策として大切なことはしっかりとした食事を摂るということです。
気血津液などあまり聞きなれない言葉を使いましたが、現代風に言うと栄養不足です。
カップラーメンやコンビニ弁当など簡易な食事になることで、タンパク質や脂質・ビタミン・ミネラルが不足します。
例えば朝食、パンにバターやジャムを塗って食べているのをゆで卵に変える。昼ごはん、素麺だけ食べているなら鶏肉や豚肉も一緒に食べるなど。
食生活をいきなり変えるのは中々難しいかもしれませんが、少しずつ意識してみてはいかがでしょうか?
夏は汗もよくかくのでマルチビタミンミネラルなどのサプリメントも同時にスタートすると良いですよ。
服用している薬等がある場合は、サプリメント使用前に担当の医師に相談してください。
胃の調子が悪く食欲が低下している時には足三里がオススメです。お灸などで刺激してあげてくださいね。
暑い夏はまだまだ続きます。
でも、しっかり対策すれば夏バテもせず、夏に打ち勝つことができます。
僕は今まで夏が苦手でしたが、今年の夏は平気で乗り越えられそうです。
やはり身体のコンディションが影響するのだと実感しております。
継続は力なり!身体が資本!!
元気な身体を作りましょう!!