例えば頭痛があり検査しても異常はない場合
痛み止めの薬を服用し、運動して筋肉を動かし血流を良くしましょうというのは西洋医学
気や血・津液の流れが停滞しているから鍼や灸・指圧などで気・血・津液の流れをよくしてあげようというのは東洋医学
大まかに分けるとこんな感じです。
今回は東洋医学の基本となる気・血・津液について解説していこうと思います。
東洋医学の思想
東洋医学には西洋医学とは違った独特な考え方があります。
それが気・血・津液です。
この3つが充満し体内を滞りなく流れ、心身ともに元気なことが良い状態とされます。
逆にこの3つが不足したり流れが悪いと身体にとって良くない状態ということです。
気・血・津液にはそれぞれ特徴があり、流れが悪くなるとそれぞれの症状が現れます。
気の特徴
- 血や水分を押し流す(推動作用)
- 血や水分を身体にとどめる(固摂作用)
- 身体を温める(温煦作用)
- 細菌・ウィルスから身体を守る(防御作用)
- 代謝を助ける(気化作用)
これらの働きがあります。少しわかりにくいと思うので、気の不調によって現れる状態を紹介しますね。
- だるい
- 疲れやすい
- すぐに休みたくなる
- げっぷ・おならが出る
- イライラしやすくなる
- お腹を下しやすくなる
気が消耗し不足した状態では疲労感を強く感じるようになります。精神的な疲労は特に多くの気を消耗してしまいます。
例えば買い物に行った後、一旦休憩しないと動けない、仕事がない日はずっと寝ていたいなどです。
また、気の流れが悪くなり停滞している場合には、その「気」を外に出そうとしてゲップやオナラが出ます。
言いたいことが言えず悶々とした状態も気の流れが悪くなり、イライラしやすくなります。
胃腸の働きも悪くなるため下痢などもでてきます。
疲れると風邪をひきやすいのは、気の防御作用が低下した状態ですね。
血の特徴
「血」は身体の栄養源で、筋肉・皮膚・爪・目など様々な器官を栄養したり精神状態を安定させたりする働ききがあります。
不足すると
- 爪の変形
- 筋肉が落ちる
- 皮膚が乾燥する
- 目疲れがひどくなる
- 精神が乱れやすくなる
- 月経不順になる
などの症状が現れます。
飲食の不摂生で「血」を作れなかったり、月経過多で多量に血が出ていってしまうと血が不足してしまいます。
月経などの関係もあり、女性の方が「血」不足になりやすいです。
津液の特徴
津液とは「血」以外の全ての水分のことです。
- 皮膚や粘膜に潤いを与える
- 関節の動きを円滑にする
- 汗や涙の原料となる
- 身体を冷やす作用がある
津液が身体の隅々まで行き渡ることで、皮膚や髪に潤いを与え、内臓は粘液で保護されます。
これが不足したり停滞したりすると
- むくみが生じる
- 皮膚や髪に艶がなくなる
- 口や目が乾く
- 便が硬く便秘気味になる
- 身体が火照り汗かきになる
梅雨の時期は湿度が高く、「湿邪」が体内に侵入し、むくみや身体のほてりなどの症状が出現しやすい時期となります。
梅雨の時期に体調をよく崩す人は、身体の中の余分な水分を体外に排泄できず、その結果、身体の重だるさやむくみ・頭痛などが出現してしまいます。
今も昔も変わらない大切なこと
あまり聞き覚えのないようなことが多くわかりにくかったかもしれませんが、大切なことは今も昔も、そして西洋医学も東洋医学も同じです。
それは「睡眠と食事」です。
古代中国の時代から睡眠はとても大切なことと考えられており
睡眠は気を補充し、血を内臓・筋肉その他の器官に送り栄養を与え、身体を回復するためのものと考えられています。
食物から気・血・津液を作り身体を元気に保っていました。
現代では多くの人が睡眠不足の悩みを抱えております。
多くの人が食品添加物、異常なほどに過剰な糖質摂取で内臓に負担を与え、気・血・津液をうまく作ることができません。
これでは身体の疲れも抜けず、いつでも重だるくしんどいままです。大きな病気に罹るリスクも高くなります。
今回紹介したような症状がある人は一度ご自身の生活習慣を見つめ直してみてはいかがでしょうか?