特に運動をしたり重いものを持った覚えがないのに
ペットボトルや水筒を持っただけで肘が痛い
なんてことがありませんか?
特に肘の少し外側で
肘を曲げた時に突出する骨のキワ
が痛いことが多いようです。
何かをした覚えもないのになぜ痛くなるのでしょうか?
肘から下(前腕)の筋肉
肘から下の筋肉は大きく分けて
前腕伸筋群と前腕屈筋群の2つに分けることができます。
前腕伸筋群
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肘の外側から手の甲側の前腕(前腕後面)を通り指まで走る筋肉が多くあります。
手首や指を手の甲側に曲げる働きを持っています。(解剖学的には伸展と呼びます)
パソコン作業でキーボードを押す時などによく使います。
他にも包丁で食品を切る仕事、大工さんもこの筋肉をよく使うため
硬くなり痛みが出現しやすい職業です。
屈筋群に比べて疲労しやすく肘の外側が痛い要因の一つになります。
前腕屈筋群
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肘の内側から掌側の前腕(前腕前面)を通り指まで走る筋肉が多くあります。
手首や指を掌側に曲げる働きを持っています。(解剖学的にこれを屈曲と呼びます)
重たい物を持つなど、力仕事をする時によく使います。
宅配便の仕事や倉庫作業などで疲労しやすく痛くなりやすいです。
ゴルフでボールを打ち損じ、地面を打った際などにも痛めることがあります。
屈筋群は肘の内側の痛みの要因になることが多くあります。
他にもドアノブを回す動きをする筋肉など大切な筋肉が前腕にはたくさんありますが
ここでは割愛させていただきます。
肘の痛みは、伸筋群・屈筋群どちらか一方だけに異常があり
痛みが出現するものではなく両方に疲労がたまり硬くなった時
特に状態が悪い方に痛みが出現すると考えてください。
肘の痛みの要因。テニス肘かそうでないか。
「テニス肘って言われた」
と肘が痛い人がよくおっしゃります。
それってほんまにテニス肘?
と僕は思います。なぜなら
テニス肘とそうでない肘の痛みの原因・要因・発生機序が違うと考えており
「テニス肘」と一括りにされた肘外側の痛みには2種類あると考えているからです。
①テニスをしている
まずはその名の通りテニスをしている人に多くおこるものです。
ボールを打つ時、特に「バックハンド」で打つ時に
前腕後面〜肘外側に大きな負担がかかります。(=伸筋群の負担)
これにより肘外側で前腕伸筋群が付着する骨の部分に異常が生じ痛みが出現します。
(上腕骨外側上顆炎)
この時、肘外側への負担のかかり方は
ボールを打つ瞬間の大きな外力です。
例えば糸を引きちぎる時、じんわり時間をかけて引っ張るより
ピッと一瞬の力で引っ張って引きちぎりますよね。
肘外側にもそういう力が働いているのです。
②デスクワークや手をよく使う仕事をしている
次にデスクワークや手をよく使う仕事をされている人です。
手をよく使う仕事とは大工さんや包丁で食べ物を切ったりする仕事のことです。
これらの仕事はテニスが原因でおこる肘の痛みとは違い
軽微な力が持続的に長期間加わり続けることで筋肉が硬くなり痛みが出現します。
デスクワークでキーボードを打ち続けていると指を使い続けています。
大工さんは工具を使ったり、特に電動工具は便利ですが重さがあるので結構負担がかかります。
他にも腕をよく使う仕事はたくさんあります。
普段ほとんど気にならない負担なのですが
毎日同じ動き・使い方をすることで同じ部位に負担がかかり
限界を超えた時肘の痛みとして現れるのです。
この二つを比べると
- 大きな力が一瞬働き痛みが出る
- 小さな力が継続して痛みが出る
という違いがあります。逆に共通していることは
これが繰り返し起こるということです。
どんな症状が出てくるの?
- ペットボトルを持った時に痛みが出る
- テニスでボールを打った瞬間に痛い
- 工具を使った時に痛い
- 包丁で食品を切っていると痛みが出てくる
- キーボードを打っているとなんだかじんわり痛い
- スマホを使っていると徐々に痛みが出てくる
- 子供を抱っこしていると肘に痛みがある
などが肘に痛みがある人からよく聞く症状です。
どれかあてはまりますか?
症状は人それぞれなのでこれ以外にも違う症状がある可能性もあります。
症状は違うけど痛みで辛いのは同じですね。
予防と対策
一番は
溜まった疲労を放置しないことが大切です。
溜まった疲労を放置することで筋肉が硬くなり
痛みが出現し、怪我の原因になります。
①セルフケア
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手は自分でマッサージを行える部位です。
赤点→赤点の部位をしっかりマッサージをしてあげましょう。
部位がわからない場合は→付近を横に切るように動かすと
コリコリとした筋がありますのでその筋をマッサージしてあげてください。
お風呂に入ってしっかり温めることも大切です。
②施術を受ける
自分でできるケアにも限界があります。
痛みがある場合は我慢せず、そのうち治るやろうと放置せずに施術を受けましょう。
確かにそのうち痛みがなくなる可能性もありますが
肘の痛みををかばって手首や肩関節に痛みが出現する可能性もあります。
これは肘の痛みがなくなっているのではなく
肘の痛みより手首や肩関節の痛みを強く感じているだけ
ということが多いです。
肘の痛みだけでなく、痛みを放置するということは体にあまりよくありません。
悩みのツボ
仕事や家事・育児をするのに「手」は必要不可欠です。
手首・肘・肩が痛いときはなるべく早めに対処してくださいね。