「タンパク質はムキムキの人が摂取するもの」と持っている人が多いと思います。
ですがそれには誤解があります。
タンパク質は、筋肉・骨・爪・髪・皮膚・内臓・血液の成分や免疫・ホルモン
形は違えど体の中のあらゆるものの構成成分だからです。
最近ではタンパク質不足が体のいろいろなことに影響を与えることがわかってきました。
ここでは筋肉ムキムキになるためだけがタンパク質ではない!
ということを解説していきますね。
とても大切なことなので、少し長くなりますがぜひ最後までお読みください。
高タンパク食のメリット20
- 貧血しにくい
- 血圧を正常に保ちやすい
- ホルモン分泌が正常に保たれやすい
- 細菌やウイルスに感染しにくい
- 内臓障害がおこりにくい
- 内臓下垂がしにくい
- 筋肉が劣化しにくい
- 姿勢が悪くなりにくい
- リウマチになりにくい
- 出血が止まりやすい
- 骨折しにくい
- 虫歯になりにくい
- 疲労しにくい
- 公害や薬害にやられにくい
- シワができにくい
- 老化を減速する
- 消化不良を起こしにくい
- 食欲不振になりにくい
- 傷の治りが早い
- ストレスに強い
①貧血対策にタンパク質
一般的に貧血と言われると「赤血球が少ない状態」を意味します。
貧血の対策にはタンパク質が絶対に必要です。
「ん?貧血って鉄分が必要なんじゃないん?」
鉄ももちろん必要です。
ヘム(鉄部分)とグロビン(タンパク質)が合体して(ビタミンB6やCも関与)
赤血球色素ヘモグロビンが完成します。鉄とタンパク質の両方が欠かせません。
また、赤血球の寿命はだいたい128日です。
減少した赤血球の数に従って新たな赤血球が合成されるのですが
合成されるための材料「鉄」「タンパク質」がないと作る数が少なく
貧血になってしまいます。
②血圧調整にタンパク質
血圧とは「心臓が血液を送り出す力」です。
タンパク質が少ないと腎機能が低下します。
腎臓は尿を生成し体の中の体液量を調節します。
体液量を減らしたいのに腎臓が減らせない、この状況を打破しようと
心臓がドンドン血液を送り出そうとして血圧が上がりやすくなります。
血管の硬さも血圧上昇に繋がります。
血管が硬いとは弾性が少ないということです。
血管壁は筋肉であり、弾性を出すにはコラーゲンが必要です。
どちらもタンパク質が原料であり、必要となります。
③ホルモン分泌にもタンパク質
ホルモンと言われてもピンとこない人も多いのではないでしょうか?
女性ホルモンを代表にその他様々なホルモンがあり
そのそれぞれにはターゲットになる器官があります。
そしてそのターゲットにはそれぞれの”顔”があります。
この”顔”を作るのがタンパク質です。
ホルモンは”顔”を見分けて、間違わずに自分のターゲットに到着します。
「なんだその程度か」と思いました?
これはそんなに簡単に済ませていい問題ではなく、ホルモンが正しく分泌されなければ
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や低下症、女性ホルモンの乱れ
など多くの人が悩んでいるものの原因となるのです。
④免疫との関係
新型コロナウイルスが流行してからもうすぐ2年が経過しようとしています。
対策としてマスクをしたりワクチンを打ったりと色々ありましたが、
何より大切なのは自己が持つ免疫です。
いくら対策を講じても細菌やウイルスは容易に体の中に入ってきます。
その時に自分でも戦える体を作っておくことが大切です。
ウイルスに対しては体の中で「インターフェロン」という免疫が働きかけます。
ウイルスは体の中に入るとヒトの細胞を乗っ取りウイルスを増やそうとします。
インターフェロンがあればウイルスに反応し増殖を止めることができます。
インターフェロンは非特異的で、様々なウイルスに反応してくれるため
コロナだけでなくインフルエンザなどにも有効な免疫となっています。
これを体の中で作るにはタンパク質とビタミンCが必要です。
冬にみかんを食べるのはとてもいいことなのです。
細菌に対しては抗体が働きかけます。
ウイルスが体内で増殖して正常な細胞を破壊するのに対して
細菌は増殖するものもあり、毒素を出すものもあります。食中毒が代表例でしょうか。
細菌(抗原)と抗体は鍵と鍵穴の関係になっており
例えば
Aという細菌に対してaという抗体が働き、bという抗体では効果がない
といったように特異的に働きかけます。
そしてこの抗体もやはり原料はタンパク質です。
ウイルスと細菌、姿形や反応は違えど必要なものは同じです。
マスクや消毒などの衛生面での対策も大切ですが
第一に自分の体を強化することがとても大切です。
⑤内臓を良い状態に
内臓の粘膜もタンパク質でできています。
例えばストレス過多によって胃酸が多く分泌されると胃を傷つけてしまいます。
これを修復するためにタンパク質が必要です。
また内臓の粘膜を保護する粘液もタンパク質が材料として必要です。
内臓だけでなく鼻や目・口など粘膜があるところには必ずタンパク質が必要となります。
内臓下垂は内臓を支える筋肉や靭帯が緩んでしまい起こります。
タンパク質が少ないと筋肉が弱くなってしまいます。
⑥筋肉・姿勢を保ち元気な体に
筋肉にはアクチンフィラメント・ミオシンフィラメントというタンパク質があります。
トレーニングや運動をしたり、怪我をしたりして筋肉を痛めると
タンパク質を材料に、傷ついた部分を修復しないといけません。
筋肉を修復したり、筋力をさらにアップさせるために
成長ホルモンの分泌が促進され筋肉を大きく、強くします。
筋肉の状態が良くなると、姿勢も自然と良くなります。
肩こり腰痛などの対策にもなりますね。
⑦自己免疫疾患に強くなる
リウマチを代表とする自己免疫疾患とはその名の通り
自己免疫が自分を自分じゃないと勘違いして攻撃してしまう疾患のことです。
ではなぜそれにタンパク質が関与するのでしょうか。
はじめにお伝えしましたが、タンパク質は体のあらゆるものの原料となっているものです。
体は常に、異化(破壊)と同化(再生・構築)を繰り返しており
古くなったものを体から取り除いて(異化)、新しいものを取り入れているのです(同化)。
タンパク質が十分にあると問題ないのですが、不足していると同化が追いつかなくなります。
中古物件のリフォームに例えると
リフォームするために壁を壊したり床を剥がしたりしたけど、新しい壁と床まだきてないからリフォームができない
といった状態です。
それが体の中で起こると、まるで自分ではないような錯覚をしてしまい
「これは自分じゃないぞ」と免疫が自分の体を攻撃してしまうのです。
とても厄介ですね。
メリットを紹介してまだ半分、、、
少し長いけどお付き合いください。
⑧出血が止まりやすい
血が出た時にできるかさぶた、なぜ血が止まるんだろうと考えたことないですか?
出血するとそれを止めようとして血小板というものが傷口に集まります。
さらにそこにフィブリンなどの血液凝固因子が集まりかさぶたを形成して止血します。
このフィブリンや血小板といったものがタンパク質でできているのです。
糖尿病の人は血が止まりにくくなるといいますが
これは糖質過多・タンパク質不足が原因ではないかと僕は考えております。
また高齢者や女性の方で
知らん間に腕に内出血ができていたなんて経験はありませんか?
あれはタンパク質が不足して血管が弱くなっているのが原因です。
⑨骨折しにくくなる
骨ってカルシウムじゃないの?と思いました?
はい。カルシウムも大切です。
しかし骨はカルシウムだけで形成されているのではありません。
カルシウムやリン・マグネシウムなどのミネラルに加えてタンパク質(コラーゲン)
も骨の形成に関わります。
お煎餅って簡単に割れますよね?あれが骨粗鬆症みたいなものです。
逆にお餅はちょっとの力では割れないですよね?
ちょっと極端ですがやはり弾力がある方が割れにくい(骨折しにくい)ですね。(例えが下手くそですみません)
年齢を問わず、骨といえばカルシウムばかりが注目されがちですが
しっかりタンパク質を摂取することが骨折の予防に繋がるのです。
⑩虫歯になりにくくなる
これについてはタンパク質が直接予防するということではなく
タンパク質をしっかり摂ると必然的に糖質の量が減ります。
虫歯の記事でも紹介しましたが、虫歯菌の餌は糖質です。
糖質を減らししっかり歯のケアをしていれば、それが虫歯の予防につながります。
11.疲労しにくくなる
1日の体の疲れ=筋肉の疲れといっても過言ではありません。
デスクワークが多く目や肩首が疲れる、肉体労働で腰が痛くなるなど
疲れや痛みを感じる部位は人それぞれですが
それを感知しているのは、ほとんどが筋肉です。
この筋肉の疲労の回復のためにタンパク質がとても重要です。
体の疲れについて一つ注意しないといけないことがあります。
それは「疲れたから甘い物を食べよう」ということです。
疲れてエネルギーが足りないから摂取しようと体(脳)が反応しているのですね。
ですが実はこれは良くありません。
例えば昼ご飯を食べたあと、3時のおやつを食べるとします。
昼ご飯がまだ胃の中に残っていて消化の最中なのに新しい食べ物が来ると
胃は休むことなく次の消化に働かなければなりません。
これでは内臓も疲れてしまい、いつまでたっても
「慢性疲労状態」からは抜け出せません。
実は、間食に甘い物を食べてしまうという「糖質依存の体」も
どうにかしないといけないのですが、、、
12.公害や薬害にやられにくい
これはあまり馴染みがありませんので
参考図書「高タンパク健康法」から紹介させていただきます。
例えば鉛中毒の場合、鉛が神経に沈着し、それが神経の伝導障害を引き起こし
筋肉の運動や知覚の障害を出現させます。
これにはアミノ酸「システイン」が働きかけます。
システインは鉛と合体し体外へと排出する働きをしてくれます。
お酒にもタンパク質は有効で
アルコールをしっかり体内で処理できる人が俗に言うお酒が強い人です。
アルコールを分解する際にアルコール脱水素酵素が働きかけ
この酵素がうまく働くために「トリプトファン」という必須アミノ酸が必要となります。
※必須アミノ酸とは体内で作ることができないタンパク質の原料です
日本酒と刺身、ワインとチーズなどの組み合わせが昔からあると思うと凄いですね。
13.シワができにくい
皮膚には弾力がある。これを作っているのはコラーゲンです。
そう、タンパク質です。弾力がなくなるとシワができやすくなります。
肌の弾力の他にはみずみずしさがあげられますね。
これはコラーゲンではなくヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸といったものです。
これらも原料はタンパク質を使っており、ビタミンAが加わり完成します。
美肌にはタンパク質とビタミンAが必要不可欠であります。
化粧水や乳液を大量に使用するのも良いですが
元になる材料が少なければ”美肌”を作ることは難しいかもしれませんね。
14.老化をおくらせる
ハーマンの遊離基老化説というものがあるらしい。
正直本を読んでも化学式が多すぎて理解しきれませんでした。
なので超簡単に説明させてもらいます。
まず遊離基というものを老化物質とさせていただきます。
老化物質には2種類あり
余計な脂質が原因でできたものとそれ以外の水溶性のものがあります。
これが悪さをして”シミ”の原因になったり”ガン”の原因になってしまうようです。
体内で突然変異が起こるようです。
放射線に発ガン性があるのは遊離基(老化物質)を作ってしまうかららしいです。
この老化物質を捕まえるにタンパク質が働きます。(警察みたいなものかな?)
脂質が原因でできた老化物質にはタンパク質とビタミンE
それ以外の水溶性のものにはタンパク質とビタミンC
が働きかけて逮捕してくれるといったイメージです。
15.消化不良や食欲不振になりにくい
この項の⑤でもお伝えした通り内臓はタンパク質でできています。
そして内臓を保護する粘液も原料にタンパク質を使います。
体内の消化酵素という言葉を聞いたことはありますか?
その名の通り食べ物を消化する酵素です。しつこいようですがこれもタンパク質です。
この酵素が少ないと食べ物を消化できず
消化不良やそこから食欲不振につながります。
体調が優れず食欲がないときは無理して食べる必要はありません。
食欲が出てきたときにタンパク質をたくさん含んだ
良質な食べ物を摂取するようにしましょう。
良質な食べ物は後ほど紹介いたします。
16.傷の治りが早い
体の傷を治すのには主に成長ホルモンが働きます。
もちろん修復の材料はタンパク質です。
若い人ほど早く治り、歳を重ねるほど治りが遅くなりやすいです。
これは切り傷擦り傷だけではなくギックリ腰や寝違えなどにも言えることです。
ただし原因は、歳を重ねているからということではありません。
周りの友人・知人を見てください。同じ歳でも
肩が痛い人、腰が痛い人、痛みがないもしくは少なく元気な人
さなざまな人がいませんか?年齢だけが原因ではないのです。
17.ストレスに強くなる
ストレスに強くなるというよりはストレスに対抗する手段ですね。
ストレスを感じると体は酸化します。これに対応しようとして
副腎皮質から糖質を高めるためのホルモンを出します。
このときどこから糖質を持ってくるかというと、それは筋肉です。
みなさんは「神経質な人」と言えばどんな体型の人を想像されますか?
おそらく痩せ型の体型を意識するのではないでしょうか?
アニメや漫画でもそういったキャラクターは痩せ型で書かれていることが多いですよね。
逆に無神経でわがままなキャラクターは太っていることが多いと思います。
(僕はこれをジャイアン体型と名付けています。ジャイアンファンの方いたらすみません)
少し脱線しましたが、これは嫌味では全くなく、また痩せ型やから神経質な性格
といっているわけではありません。
繰り返しますが、ストレスを感じると筋肉や脂肪から糖質を作ろうとします。
タンパク質が不足していると、体がどんどん痩せていってしまいます。
これが限界に達してしまうとストレスに対抗できなくなり、体調に不調をきたします。
ストレス過多でなければここまでにはならないのですが
ストレスの感じ方は人それぞれです。
一概にあの人はストレスに弱いと決めつけていいものではありません。
でも、ストレスに対抗する手段は皆同じと言えます。
ストレスを感じてもしっかりとタンパク質を取れていれば
筋肉からでなく血中のタンパク質から糖質を作ってくれます。
限界に達する前にストレスが緩和されれば体調を崩すことも少なくなるかもしれません。
現代は情報が溢れかえっていて”ストレス過多社会”です。
ストレスに対して精神安定剤を処方されますが、正直ストレスに薬はないと思います。
高タンパクによるストレス対策がどこまで効果があるかも正直わかりません。
数字に出してグラフにできないからです。
ただ、もしこの悩みがあるなら試してみる価値はあると僕は思います。
タンパク質の摂取について
タンパク質のメリットとその解説を長々と書いてきました。
ではどうやって摂取すればいいの?
ということですよね。
ここにプロテインスコアというものがあります。
動物に対して必要なタンパク質をどれだけ含んだかというものです。
100に近いほど必要なタンパク質を多く含んでおり、良質なタンパク食と言えます。
これらの食品を効率よく摂取することが理想的と言えます。
例えば
うどんを2食分摂取するよりは卵を1個食べる方が体にとって効率が良いです。
また一つの食品で完結させる必要はなく
うどんに卵を入れるなどのように組み合わせて食事することもいいですね。
ではなぜ効率よく摂取したほうがいいかというと
人の1日のタンパク質必要量は大体
体重×1グラム
と言われています。(60kgなら60gのタンパク質)
これを摂取しようとすると
1日のうちに卵を7〜10個、1食で3個ほど食べないといけません。
プロテインスコアの低いものだけで摂ろうとするともっと必要になります。
タンパク質を効率よく摂取する方法として「プロテイン」というものがあります。
プロテインと聞くと筋トレする人が飲む物
と考えている人が多いのですがそうではありません。
実はプロテインは効率よくタンパク質を摂取する方法としてとても優秀なのです。
僕は、毎食卵一個、プロテイン一日2回摂取を心がけています。
ここに僕が飲んでいるプロテインも紹介しておきますね。
味はリッチショコラです。
水で作るとあっさりココアのような味で、牛乳で作ると正にココアのような味になります。
飲みやすいのでオススメです。
もちろんそれ以外の昼食や晩御飯も食べていますよ。
プロテインはあくまで補助的なものとして考え、普段の食事に加えて摂取するだけでも十分です。
最近ではプロテインも飲みやすくなっていますのでぜひチャレンジしてみてくださいね。
最後に
とても長くなってしまいましたが
最後まで読んでいただきありがとうございました。
タンパク質は体にとても大切な栄養素なので
この記事を読んでいただき少しでも参考にしていただければ幸いです。