日本人にとても多い『肩こり』。
アメリカや、ヨーロッパなどでは、あまり多くないという話を聞いたことがあります。アメリカやヨーロッパの人たちは、言いたいことはハッキリとつたえると言った性格の方が多く、ストレスを溜めないのです。また、食生活もお肉を良く食べるため、筋肉量が日本人より多いというのもあります。
これと違って日本人は、言いたいことをグッと我慢してストレスが溜まってしまう人が多いです。ストレスと肩こりは密接な関係があり、ストレスは肩こりの大きな原因の一つになります。
さて、皆さんは肩が凝るという言葉を聞いてどこをイメージしますか?
おそらく、首から肩にかけての部分をイメージする人が多いのではないでしょうか。
では、『肩が痛い』はどうでしょうか?
これは意見が少し分かれるかもしれません。
先ほどの『肩が凝る』部分をイメージする人もいれば、五十肩で痛みが生じる腕の付け根の部分をイメージする人もいると思います。
一般的に『肩』は手首や足首と違って範囲がとても広く認識されています。
ここでは解剖学的にみた『肩』と『肩こり』について書いていきます。
肩ってどこ?
興味のない方は症状まで読み飛ばしてもらって大丈夫です。
一般的に首から腕の付け根までの広い範囲で『肩』と認識されています。
解剖学的には、以下の通りです。
- 上腕骨(肩から肘)と肩甲骨が関節を作る『肩甲上腕関節(肩関節)』
- 肩甲骨が鎖骨が関節を作る「肩鎖関節」
- 胸骨と鎖骨が関節を作る『胸鎖関節』
肩こりに関与する筋肉
肩周りは筋肉が大きくありますが、ここでは『僧帽筋』『菱形筋』『肩甲挙筋』『板状筋』『後頭下筋群』を紹介させていただきます。
僧帽筋(上・中・下部でそれぞれ役割が違う)
後頭骨・第一頚椎〜第十二胸椎から始まり、鎖骨外側・肩甲骨に止まる。背中を大きく覆う筋肉。
【上部繊維】肩甲骨を上に引き上げる。首の運動に関与する。肩こりを感じる部位。
【中部繊維】肩甲骨を脊椎(背骨)に向かって引き寄せる。脊椎から肩甲骨に付着し、肩甲骨の運動に大きく関与する。
【下部繊維】肩甲骨を下に引き下げる。上体を起こす筋肉で、猫背の人はここがとても弱くなっている。
トレーニングをしていない人は、僧帽筋がとても薄くなっていて、ほとんど筋力を発揮できていない人もいる。
菱形筋ー第六頚椎〜第四胸椎に始まり、肩甲骨内側縁に止まる。肩甲骨を内側に引く筋肉。背中が歩くなる原因の一つ。
肩甲挙筋ー第一頚椎〜第四頚椎に始まり、肩甲骨内側縁上部(上角)に止まる。肩甲骨を引き上げる筋肉。首の根元が痛くなる。
板状筋ー【頭板状筋】第三頚椎〜第三胸椎の項靱帯に始まり、側頭骨乳様突起・後頭骨上項線に止まる。【頚板状筋】第三〜第六胸椎に始まり、第一〜第3頚椎に止まる。上を向く、同側に首を回す、同側に首を傾ける。緊張性頭痛の原因になっていることが多い。
後頭下筋群ー【大後頭下筋】【小後頭下筋】【上頭斜筋】【下頭斜筋】後頭下筋群の一部が脳の硬膜につながtyており、頭痛などの原因になる。視点の微調整を行う。
肩こりの症状
下記の症状がある方は肩こりがあるかもしれません。
- 首・肩の痛みやダルさ、不快感。
- 頭痛(目の奥、こめかみ、後頭部)
- 頭が重くスッキリしない
- 目が疲れている、目の周りのダルさ
- 肩甲骨内側の痛みやダルさ
- 首を動かしたときに痛みがある
- 腕を上げたときに肩関節に痛みがある
- 巻き肩になっている
- ストレートネックと言われている
肩こりの原因
肩こりの原因には、身体的ストレスと精神的ストレスがあります。
①身体的ストレス
筋肉には、ポンプの働きがあります。筋肉を動かすたびにそのポンプが働き、血液を送り出しています。自転車の空気入れみたいなものです。長時間デスクワークやスマホ操作・ゲームをすることで、筋肉は硬くなりポンプの働きも無くなってしまします。そうなると次に起こってくるのは、首・肩周りの血流不足です。
血管には、
- 動脈ー心臓からの血液を運び、身体の隅々に栄養を届ける血管
- 静脈ー身体の各部位から疲労物質などをを集め心臓に戻ってくる血管
この2つがあります。筋肉のポンプ作用が働かなければ
- 栄養を送ること
- 疲労物質を集めること
ができなくなり、その結果肩こりが生じます。
②精神的ストレス
『自律神経が乱れる』という言葉を良く聞きます。この言葉を良く理解されていない方も多いのではないかと思います。
『自律神経が乱れる』ことで身体に起こっていることは、『交感神経の過緊張』です。
交感神経の働きは以下の通りです。
- 心拍増加
- 血圧上昇
- 血管収縮
- 筋肉緊張
- 呼吸が速くなる
- 瞳孔が開く
- 涙が出にくい
- 唾液が減る
- 胃腸の動きが減少する
- 尿や便が出にくくなる
肩こりがあると人は、これにも当てはまることが結構あるのではないでしょうか。
また自律神経には交感神経ともう一つ【副交感神経】というものがあります。これは交感神経とほぼ反対の働きをしてくれます。
この2つが、日中良く身体を動かす時は【交感神経】、仕事が終わり夜リラックスするときは【副交感神経】のようにバランスよく働いていれば問題ないのですが、自律神経の乱れのある人は副交感神経がほとんど機能していないのです。リラックスできず、寝不足になったり筋肉が弛緩できなかったりします。
またこの2つのストレスの他に
- 喫煙
- 暴飲暴食
- 糖質過多(特に甘い物)
- 水分不足
なども肩こりの原因になるので注意してください。
対策
運動+ストレス発散がやはりベストです。
僕は近くにある川が好きで、そこをランニングしています。好きな場所で運動できているので、走った後はとてもスッキリしますよ。
皆さんも、何か好きなことや楽しいことを見つけて気分転換してください!
何をしたらいいかわからないという方は、マッサージを受けるのをお勧めします。とてもリラックスできますよ。
家でできる簡単なストレッチも1つご紹介させていただきます。
- 首を少し前に曲げる
- 伸ばしたい側と反対の手で頭を抱える
- 手で伸ばしたい側をゆっくり伸ばしていく。30秒ほどキープしましょう。
- 反対側も同じようにする
腕立て伏せも効果的です。筋力がなく全然できない人は最初は膝をついても大丈夫です。立位で壁に手をついて腕立て伏せをしてもいいぐらいです。また回数は5回以内でも、全然構いません。
毎日続けてやっていると必ず効果は現れます。一緒に頑張りましょう♪